AI時代は、努力が報われるかどうか分からないことをやれ! - スマートAI名刺「Supawave」
July 21, 2025

AI時代は、努力が報われるかどうか分からないことをやれ!

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著者:夏目力

スティーブ・ジョブズは、ナイキの商品は機能面だけみれば、他のスニーカーと大して差がないコモディティなのだと述べている。

しかし、それでも多くの人がナイキに対して喜んでお金を払うのは、ナイキがアスリートのような鍛えられた肉体を手に入れたら、自身の人生が大きく変わるというストーリーを提供し、多くの人がそれを本気で信じているからなのだろう。

アパレル業界で時価総額世界一のユニクロの製品は、中国の工場で大量生産された「超コモディティ」。

アップル製品も細かく原価を見ていくと、部品や組み立てといったコストは全てコモディティ化していて、薄利多売の構造が見て取れます。

それでも私たちがユニクロやアップルの製品を買うのは、これらのブランドが「なりたい自分になる」という自己実現欲求を強烈に刺激しているからなのでしょう。

実際、世界のスマホのOSのシェアはアップルが25%、グーグルのアンドロイドが74%と、グーグルの方が3倍も高いシェアを持っているのに、企業の時価総額はアップルの方が高くなっています。

ある意味、現代では商品やサービスに関わらず、様々なものがコモディティ化されている。

グーグル検索によって、知識や情報がコモディティ化され、SNSによって人間関係自体が薄まりコモディティ化されていきました。

そして、何よりAIの登場によって、人間の存在そのものがコモディティ化しつつあり、コモディティ化された人材は、徹底的に買い叩かれるのが資本主義の原理なのだと言えます。

「僕は君たちに武器を配りたい」の著者で、エンジェル投資家、経営コンサルタントでもあった瀧本哲史氏は、学歴や資格など「努力が報われること」は、今後必ずコモディティ化していくのだと言います。(1)

つまり、僕たち人間が脱コモディティ化をするためには「努力が報われるかどうかわからないこと」をやっていかなければならないのだろう。

生成AIが普及し、AIが人間以上に良い文章や音楽を作れるようになってくると、作品の質以上に、その人の存在感というものが何倍も重要になっていくる。

自分の子供が描いた絵に親が感動するように、恐らくこれからは、質よりも、誰がどうゆう状況でそれを作ったかという「作家性」の部分が大切になってくるのでしょう。(2)

努力がコモディティ化していく時代は、正しさよりも面白さやキャラクターを重視し、非合理を追求して、本当の意味での個性を宿らせる必要があるのかもしれない。

NOTE

1.瀧本哲史「立ち上がれ!君たちに贈るメッセージ」ニューズピックス、2024年 2.東浩紀「訂正する力」朝日新聞出版、2023年

参考書籍

◾️尾原和啓「ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか」NHK出版、2020年 ◾️仲 暁子「ミレニアル起業家の 新モノづくり論」光文社、2017年 ◾️佐藤航陽「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」幻冬舎、2017年
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