世の中は常に新しい何かが現れることで、急速に変化し続けていると思われがちです。
しかし、実際は、二歩進んで一歩下がるといった感じで物事は少しづつ変化していっています。
新しいものが出ると、またすぐに古く懐かしいものが復活して、新しいものと古いものが交差しながら、まるでらせん階段を登るように、世の中はちょっとずつ変化していく。
時代に取り残されない一番簡単な方法は、自分よりも2倍年上の友人、もしくは年齢が半分の友人をつくることなのだと言う。

年配の人がChatGPTの使い方が分からないというのは、若者がしっかりと挨拶ができない、手紙の書き方が分からないと言うことと同じことなのでしょう。
人脈を広げるという意味では、AIで1000人に効率的にアプローチするのと、手紙で10人に非効率に深くアプローチするのでは、どちらが効果的なのでしょうか?
フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグは自身が20代前半の時に「若者は常に正しい」と言いました。
しかし、時代の最先端を行っていたはずの若者もいずれは年を取り、すぐに下の世代から激しい突き上げを受ける立場になっていくのです。
恐らく「昭和のおじさん」と「令和の若者」との間のジェネレーションギャップにこそ、本当の意味でのイノベーションが隠れているのだろう。
ノーベル賞作家のカズオ・イシグロは、自分が若い時は常に年配の人たちの話に興味があったのだと言います。そして、年配の人たちの話を聞いて、小説を書くことが自分を理解するための最適な方法だったのだと言う。

また、子供が育つ環境においても、祖父母と同居することでコミニケーション能力が上がると言います。(1)
未来の価値観に囚われすぎている若い人たちほど、二歩進んだから一歩下がって、世代間のジェネレーションギャップをあえて作り出すくらいのことが求められるのかもしれません。
大切だけど、急ぎではないことをどれだけ優先できるかが、人生の質を大きく左右することは間違いない。
世代間のズレを恐れない人こそ、本当の意味での自分らしさを追求していける人なのでしょう。
 
        
           
 
                    