現代に生きる人たちは、1990年代のアメリカの大統領よりも多くの情報に瞬時にアクセスすることができるのだと言います。
SNSやAIの発展によって、一つ聞けば、100も1000も回答をもらえる世界に生きているわけですが、本当に価値のある有益な情報というのは、信頼された人間関係の中での口頭でのやり取りでしか、共有されないのだと言う。
例えば、ビジネスにおいて言えば、本当に有益な情報は、向こうから営業してくることもなければ、ChatGPTに聞いたら教えてくれるものでもなく、親しい人たちの間で口頭のみで共有されていきます。

ある意味、本当に価値のある情報とは、文字にしたり、SNSにアップした時点で、価値が失われてしまうのかもしれません。
ジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、家族の話や自然にプライベートの話ができる人間関係にならなければ、本当のものづくりなどできないと述べています。
多くの人は、1日の大半をスマホを見て過ごしていますが、本当に価値のある話はSNSとは無縁のところで動いていることを理解すべきなのだろう。
よく家賃が高いマンションの方が、近所の人たちにもしっかりと挨拶をし、宅配の人たちへの対応も丁寧なのだと言います。
これは、収入が高い人ほど、本当に価値のある情報は、お互いの信頼を通じてしか得られないことを理解しているため、人間関係は常に丁寧しておかなければならないという意識が働いているのかもしれません。

また、「職人には見積もりの1.2倍のお金を払え!このおかげで誰よりもよい仕入れができる。」とも言われます。
求められる以上のことをすることで、そこに信頼関係が生まれ、そこでしか共有されない有益な情報にアクセスできるようになっていく。
恐らくこれからは、SNSやグローバルなどと言った外の広い世界と信頼を軸とした限られた人しか出入りできないコミニティーを頻繁に行き来きする人が、検索エンジンには引っからない情報を手に入れられる時代になっていくのでしょう。

職人の勘やトップ営業マンのノウハウはマニュアル化できません。
これと同じように、本当に価値のある情報は、文字にしてコミニティーの外に伝えると意味が変わってしまったり、その場の演出やリズムによっても捉え方が変わってくるため、限られたコミニティーの中だけに留めておく必要があるのだと言える。
ある意味、生きると言うことは、親から子供へ、現世代から次世代への伝言ゲームなのだとと言えるのかもしれない。
検索エンジンをいくら叩いても、物事の核の部分はほとんど分からないのでしょう。
 
        
           
 
                    