心理学者バーシュとボーシャードの調査によれば、人間は誕生日や趣味などが一致しているだけで、親近感を覚えるようになるのだと言います。
たとえ自分とは全く違うタイプの人間であったとしても、ある一つの共通点をキッカケに心の繋がりが生まれる状態は「ラポール」と呼ばれる。
例えば、同じ登山中にたまたま会った人であれば、同じ環境に身を置いていることで会話が弾むことだろう。
また、全く知らない人であっても、スポーツバーで同じサッカーの試合を見ることで心が繋がり、ゴールを決めた瞬間にハイタッチをするのは、まさに「ラポール」の現象なのだと言えます。

違うタイプの人間でも、共通点をキッカケに繋がる。
ハーバード大学が84年間の時間をかけて行なった調査によれば、人生を通じて、幸福に最も影響を与えるのは、年収や肩書きではなく「良好な人間関係」であることが分かっています。
さらに、人間関係において重要なのは、友達の数や質そのものではなく、友達の多様性なのだと言う。
つまり、同じような業界、同世代の友人、同じ文化圏で暮らす人々と人間関係を深めるよりも、自分とは全く違った考えを持った人たちと関係を深める方が、創造性が活性化されたり、人生の意味を深く理解しやすくなるのだと言います。
重要なのは、仮に業界、年齢、文化圏が違ったとしても、相手と自分の何かしらの共通点を見つけることです。

一番重要なのは友達の質や数ではなく、友達の多様性。
スティーブ・ジョブズが妻のローレン・パウエルと繋がったのは、ビジネスやテクノロジーに関連した部分ではなく、東洋文化や食に対する考えに共通点があったことでした。
インスタグラムの創業者であるケビン・シストロムとマイク・クリーガーは、大学の選考は全然違いましたが、同じ写真好きという共通点から意気投合し、インスタグラムを創業しました。
人間は、同じロゴのTシャツを着ていたり、出身校が同じだっただけで、親近感を覚えると言います。
そう言った意味では、初対面の時に、どれだけ早く相手との共通点を見つけられるかが、人生の幸福度に何かしらの影響をもたらすことは恐らく間違いなさそうです。