イーロン・マスクはとにかくPRや広告という言葉が大嫌いなのだと言う。
テスラにしても、スペースXにしても、製品を広告を使ってプロモーションするための広告費はほとんどゼロで、イーロン・マスクの大胆な行動や発言が彼のファンを増やし、自然と製品が売れていくという仕組みができています。
服にしても、家具にしても、住むエリアにしても、最終的に何か判断する際に一番重要になるのは、センスの良い人、信頼できる人ががそれに対してどう思っているかという部分なのだろう。

現代においては、「何を買うか」と言うこと以上に「誰から買うか」という部分が何倍も重要になってきているのです。
同じような商品やサービスが増えれば増えるほど、それにまつわる情報が増えれば増えるほど、「誰から買うか」という心理的欲求は高まっていく。
AppleやNikeなどのブランドは、KPIを「誰に語ってもらうか」という方向にシフトさせています。
Appleであれば、Apple Storeの対面で接客する製品の専門家がどう語るか、Nikeであれば、アスリートの物語と一緒に製品がどのように語られるかという部分を徹底的に意識しているのです。
つまりは、その人のセンスや考え方がSNSや日々の人間関係によって、どれだけ信用されているかという部分が大切であり、現代人は膨大な情報やサービスに「人間フィルター」をかけることによって、物事を判断しているのだろう。

よく信用をお金に変えるのは比較的簡単だけど、お金を信用に変えるのは難しいと言われます。
信用を貯めるためには、常に求めらることに20%上乗せして仕事をする、「またご飯に行きましょう!」などと言った簡単なことでも、一度口に出したことは必ず実行するなどと言った見返りが保証されていない地道な事が必要とされる。
また、無償で何かを提供することによって、時間や現金というものを一旦、周りが求める「価値」に変換し、価値をどんどん積み重ねることによって、価値を信用に変えていくというプロセスも非常に有効なのでしょう。
もはや現代人は、モノやサービスを買っているのではなく、人を買っているのかもしれない。
 
        
           
 
                    